ニュクス 〜Nyx〜 

ギリシャ神話に登場する夜の女神。
名前はギリシャ語で「夜」の意味。
原始神カオスが単神で生んだ子どもとされる。
兄であるエレボスとの間にヘメラ、アイテル、カロンがいる。
ほかにも単体で多くの子どもがいるが、ほとんどが概念の神格化。
ニュクスと、子どものヘメラ(昼の女神)は表裏一体と考えられている。ふたりは、世界の西の果ての地下にある館にともに住んでいるが、ヘメラが世界を回っている間は昼、ニュクスが世界を回っている間は夜なので、ふたりが顔を合わせるのは、昼と夜の境の一瞬だと言われている。

 

【出生】
父はカオス(原始神)
母はなし
夫は、兄のエレボス(幽冥の神)
子どもはヘメラ(昼の女神)、アイテル(光明の神)、カロン(冥界の河ステュクス(憎悪)またはその支流アケローン川(悲嘆)の渡し守)
単体で生んだ子どもは、モロス、ケール、タナトス、ヒュプノス、オネイロス、モーモス、オイジュス、ヘスペリス、モイラ、ネメシス、アパテー、ピロテース、ゲーラス、エリス、クロートー、ラケシス、アトロポスなどがいる。

 

【系譜略図】
カオス
  ┣ エレボス
  ┃   ┣ ヘメラ
  ┃   ┣ アイテル
  ┃   ┣ カロン
  ┣ ニュクス
  ┃   ┗ 多数
母はない。

 

【関連項目】
カオス
エレボス
ヘメラ
アイテル
カロン

 

【関連雑学】
ローマ神話におけるノクスと同一視されている。
小惑星3908の名前の由来。
  火星と木星の間に広がる、アステロイドベルトにある小惑星。
  ニュクスはそのうちのアモール群(火星の軌道付近にある)のひとつ。
  小惑星とは発見されているだけで20万体以上あり、名前がついているのは
  そのうち1万5千体程度。
小惑星の名前