ケイロン 〜Cheiron〜 

日本語では「ケイロン」だが、発音は「ケイローン」のほうが正確。
ラテン語では「キロン」(Chiron)
ギリシャ神話に登場する、半人半馬の怪物ケンタウロス族の賢者。
日本では「ケンタウルス座」をケイロンだとしていることが多い。
ケンタウロス族は野蛮で粗暴といわれるが、ケイロンは例外的存在で、医学の祖といわれる。
ペリオン山で薬草を育て賢者(医師)として暮らしていた。
医学の神アスクレピオスや、英雄アキレウス、英雄イアソンを育てた。
その知識は、アポロンから音楽、医学、予言を、アルテミスから狩猟を学んだという。
ケンタウロス族は不死であるが、ヘラクレスの放った毒矢が誤ってケイロンの膝に命中し、毒の苦痛から逃れるために、ゼウスに頼んで不死身をプロメテウスに譲って自ら死を選んだ。
※ただし、このエピソードは神話の前後と矛盾している。

 

【出生】
父はクロノス(ティターン十二神。ゼウスたちの父。ということはゼウスとは異母兄弟)
母はピリュラー(下級の女神、あるいは精霊かニンフ)
なぜ半人半馬かというと、ふたりの逢瀬は(ギリシャ神話によくあるように)密会だったため、クロノスは馬に変身して交わったため。

 

【関連項目】
クロノス…父
■ アスクレピオス…へびつかい座、アポロン(父)コローニス(母)アルゴウナタイの一員、「アスクレピオスの杖」
■ アキレウス…アキレス、ホメーロスの叙事詩『イーリアス』の主人公
■ プロメテウス…ティターンの一柱(広義)
ティターン十二柱